01 / MECHANISMNATセッションとは
院内からインターネットへの接続が不安定になる原因の一つに、ルーターの「NATセッション枯渇」があります。
複数の端末で一つのグローバルIPアドレスを共有する際、ルーターはIPアドレスやポート番号などの通信情報を管理します。この仕組みをIPマスカレード(NAPT)といい、一般にNAT機能の一つとして扱われます。管理できるセッション数には上限があり、上限に達すると新たな通信を開始できなくなることがあります。
端末の台数とセッション数は異なります。一台の端末でも、複数の通信情報をルーターが同時に管理することがあります。
02 / USAGEセッション数が増える理由
パソコンやスマートフォンの同時利用、クラウドサービス、動画視聴、バックグラウンド通信などにより、セッション数は増加します。必要なセッション数は利用状況によって変わるため、接続端末数だけで機器の適否を判断することはできません。
なぜ「一台あたりのセッション数」を固定できないのですか?
利用するアプリケーションや同時に動くサービス、通信方式、ルーターのセッション保持時間などによって変動するためです。機器選定には、実際の利用環境での確認が必要です。
03 / SYMPTOMS起こりうる症状
NATセッションが枯渇すると、次のような症状が発生することがあります。
- Webページが開かない
- 外部サービスへの接続がタイムアウトする
- 一部の端末で接続できない
ただし、回線混雑やWi-Fiの電波状況、DNSの不具合などでも同様の症状が起こるため、原因の切り分けが必要です。
院内の端末間通信など、NAT機器を通らない通信の不具合については、別の原因も確認します。
04 / MEASURES安定化に向けた対策
対策として、障害発生時のセッション使用数やログを確認し、実際の通信量と今後の利用増加を見込んだ機器選定・設定の見直しを行います。
- 障害発生時のセッション使用数とログを確認する
- 回線・Wi-Fi・DNSなどの状態を確認し、原因を切り分ける
- 利用状況と将来の増加を踏まえて、機器・設定を見直す
ルーターを更新する場合は、NATセッション容量だけでなく、通信処理性能や回線方式、既存機器との接続構成も含めて検討することが大切です。
参考資料
本ページは一般的な仕組みと対策の解説です。個別の障害原因や改善効果は、現地の構成と測定結果に基づいて判断します。
- ヤマハ:NATディスクリプター機能 概要「6.3. Syslog」には、セッション上限到達時に新しい変換情報を生成できず、パケットを破棄する動作が記載されています。
- ヤマハ:IPマスカレード変換セッション数制限機能一部端末による変換テーブルの占有を避けるための、端末ごとのセッション数制限について説明されています。
- ヤマハ:NAT・IPマスカレードで扱えるホストの台数旧機種を対象としたFAQです。利用可能台数が用途・環境・処理能力などに依存するという一般的な考え方を参照しています。